2011年08月15日

遺産

 祖父は半身不随になっていて、まともに話した事はなく、苦しげな呼吸と共に吐き出される言葉しかほとんど知らない。
 しかし、聊斎志異や国姓爺合戦、雨月物語そうした東洋の幻想、シェイクスピアやグリムといった西洋の物語、多くの書物はそこで出会った。
 虎は死んで皮を残すように、読者家は本棚を残す。
 
posted by 作者 at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呟き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

真実

子供の頃、怖い夢をよく見た。母が長く入院していたし、父も夜勤だったから、家に一人だった。ある夜、猫に誘われて家を出た。公園、学校、病院、神社、墓場。明けない夜の中でさまよっているうちに、怖い夢は見なくなった。いや、今でも見ている。ただ、血肉のように当たり前になってしまっただけだ。
posted by 作者 at 23:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月09日

嘘をつく

tikutakuさんは、「深夜のソファ」で登場人物が「嘘をつく」、「魔法」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://t.co/x2r6tV0 #rendai

起き上がれば深夜のソファ。疲れ切って帰ってきてそのまま眠ってしまったようだ。こんな風に仕事の為だけに生きているなんて意味あるのかな。携帯がなった。出れば「大丈夫ずっと一緒にいるよ」。彼の声。元気が出る魔法の言葉。きっとしっぽがあればピンって立っている。でも、彼はもういない。
posted by 作者 at 19:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 掌編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おお@

tikutakuさんは、「夕方のソファ」で登場人物が「恋する」、「風」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://t.co/x2r6tV0 #rendai


辛い西日に目を覚ます。窓辺のソファに転がっていた。カーテンが開きっぱなしだ。朝、仕事から帰ってきてそのまま寝室にいくのも面倒で横になったのを思い出す。窓を開く。風が吹き込んだ。熱を帯びた大気の中、涼やかな薫り。目を向けると、そこに立つ人影。よく見ようと背筋が伸びた。恋していた。
posted by 作者 at 19:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 掌編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一件家二階の窓

酔って歩いていたら綺麗なハミング。音の方を見ると、一件の家。二階の窓、少女が腰掛けて歌っていた。新月の夜で、星の冷たい光が照らしていた。暫く聞き惚れていたんだけど、闇の中に少年が一人。きっとこの曲は彼の為なのだろうと思って悲しくなって後にした。それからあの二人を見たことはない。
posted by 作者 at 19:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 掌編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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