2015年04月29日

85→○○

 小学校の時のことだ。毎年、みかん狩りにいっていた山のあたりで万博が開かれることになった。あれよあれよと開発が進み代、気付けばそこは大きな建物がたって、たくさんの人がきて、みかんが狩れなくなった。
 でも例年通りおでかけということで、僕はビルと人間で組み合わされた万博というところにきていた。
 最初はみかんも食べれないと、あれだけいやがっていたのに、最終的にはでっかくExpos85とコスモ星丸とかかかれたTシャツを着てはしゃいでいた。
 今までみたこともないような大きなテレビ。チャンネルを回すのにくろうしそうだと思ってみたり、一本の草のはずのトマトからできた世界樹みたいなものは大きさに驚いた。
 でも、そういうのはあまり人気がなくて、人が並んでるのは体験型のものだった。月にいったような宇宙飛行士の気分が味わえるようなものや、未来の生活ができるもの。遊園地のようなアトラクションも人気があった。結局そういうのは並んでいるだけで終わってしまいそうなので、親と別れ、僕は人気のないあたりを回っていた。
 よくしらない国のパビリオンだった。
置いてある展示もよく知らない国の歴史で、ファンタジーみたいだったのが、暗いSFみたいに国が変わっていく展示だった。それは東欧の、共産主義の国のものだった。
 まだ世界は冷戦という大きな物語の中だから、共産圏、ソ連怖いという感じ。というか悪の帝国くらいな勢い。
 いるのもちょっと変わった感じの白衣のおじさんだった。白髪混じりの事をのぞけばちょっとジョン・レノンに似ている。
「あなた、これは過去にいける装置ね」
 といわれたそれはただのトンネルに見える。
 ただ、その向こうからは気持ちのいい潮風が吹いてきて、どこか楽しそうだ。きっとこの国のセットとか用意してあるんだろう。
「いきます」
 僕は中に進んでいった。
 中はパビリオンのセットとしてもおおきな空間だった。
 お城の中庭のようなところから、童話のような王子様とお姫様の結婚式のさなかだった。厳かながら喜ぶにあふれた空間。僕もはしゃいでお祝いの手をたたいていていた。
 そして式を見終えて戻った。結構時間がたっていて僕はあわてて待ち合わせの場所に戻ったのだ。
 ところが最近、古いタペストリーをみていたら年号にコスモ星丸つきのシャツを着た僕がいた。
 もしかして科学だけでなく魔術も展示されていたのかもしれない万博。
posted by 作者 at 02:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 短編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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