2011年07月26日

猫とトイカメラ

 旅に出た。
 適当に神社に入る。茂みの中でガサガサいうので覗いたら、ドット柄のワンピースが見えた。ただ顔が靄がかかったように見えない。幽霊と思うとすぐに消えた。
 背後でシャッター音が響いた。追いかけると猫がいるだけだった。ただ、首輪には小さなトイカメラがつるされている。
「おい、写真とるなら、声をかけてくれ。それともこれで魂でも奪おうという算段かい?」。冗談で猫に話しかけると「許可をとらなくて悪かった」という。
 理由を聞くと、亡くなった主人の写真を写しているという。幽霊かと聞くと、猫は「非科学的だね」と笑った。
 雨が降ってきた。猫に雨宿りを勧められた。
 猫の部屋には、主人の写真や思い出、形見を見せて貰った。
 主人の写真の多くは顔が見えずにもやがかかっているように見える。でも古い物に連れて鮮明になってくる。幽霊ではなくて、あの主人はこの孤独な猫の幻なのだろうか。
posted by 作者 at 11:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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