2012年11月15日

終止符の前に

即効小説トレーニング http://webken.info/live_writing/try.php さんで書いたものに+したもの最初のはこっちhttp://www.movatwi.jp/url/redirect?http://webken.info/live_writing/novel.php?id=13195

 試験でカンニングをすることにした。
 今回の試験はうまくいかなければ留年なのだ。そこで私は考えた結果だ。しかし、普通の手ではうまくいかない。
 そして『一見何かの掲示のように見せかけて、実は英語の答えなのです』作戦がスタートした。 よく教室の前や後ろの壁に貼ってあるプリント。あれをそのままカンニングペーパーにするというプラン。
 これは何代か前の先輩がしたという話を聞いた事があるらしい。ところが、試験の会場は、普通の教室ではなかった。理科室だという。あの色あせた元素表とか貼ってある壁に、新しい掲示のペーパーなんて貼ったらもうだめ。一発でばれる。
 理科室の中を回る。科学部が研究結果を貼ってあるそこに貼るというものだ。 幸い、私も科学部なので、貼る事はできる。しかし、学園祭の時に作られる学校内の産物で作るアイスクリーム実験を除けば、模範的な幽霊部員である私には、展示するような研究結果は何もない。
 あーでもない、こーでもないとわめいていると、部長が尋ねてきた。
「珍しいですね。あなたがこうしているなんて」
「はは。その」
 ああ、これは使える(邪笑)
「部長、私間違ってました。みんなの研究発表を見て私も何かしてみたいです」
 そのまま部長と話しながら、色々と資料を作りだした。勿論、そこには英語も単語や、構文を、きっちり書き込んである。こっそりと分からぬように色々と。
 完璧に仕上げて貼り出して置いた。
 さて試験本番。
 理科室に入ろうとすると先輩が出てきた。手には丸めた模造紙が握られている。
「がんばってね」
「任せてください」
 確認すべく壁を見ると日本人らしい少女と外国人らしい青年の姿。英語のクミとマイク、教科書でシチュエーションの説明をする二人の絵がでかでかとかかれている。 もっとも、その内容はきっちりと、粘菌に関しての話だ。
 あれ。私あんなの書いてないよ
 これもしかしてばれてますか・・・
 先生はこっちを見ている。ぬお、怪しまれている。
 私じゃない。私じゃないよ。
 そう目で訴えながら問題用紙に向かった。とにかく全てを埋めきった。
 試験が終わり、先生と入れ替わりに部長がにこにこしながら入ってくる。
「お疲れ様」
「先輩、酷いですよ。結果を変えるなんて」
「しってたんですか? そのカン・・・」
 先輩の柔らかな手が口をふさぐ。
「掲示物に偽造するのを始めたのは私だからね。それにできたでしょ」
 うなずいた。確かにできていた
「昨日資料作りながら色々と教えてたの気づかなかった? 先生ね、何年も同じ問題なのよ」
「本当ですか」
「科学の基本は観察なの。まあ幽霊部員のあなたには分からないかもしれないけど」
 観察。
 観て察する。
「ところで、実は来年、先輩方が抜けるとね、我が科学部の人数は規定に達しないどころか、存亡の危機なの」
「分かりました。今後はちゃんと部活にも参加しますので、問題の方よろしくお願いします」
 私は初めて、科学部員として先輩を観察した所見を述べた。
posted by 作者 at 01:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 短編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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