2011年03月08日

「教室」で 登場人物が「張り巡らす」、「時計」という単語を使った怪談を考えてください。

「教室」で 登場人物が「張り巡らす」、「時計」という単語を使った怪談を考えてください。 http://shindanmaker.com/94450 #kaidan_odai




張り巡らす
まわり一面に張る。もれなく張る。


 時間は時計によって示される気になるが実際は感覚によるものだ。つまらない授業と楽しい放課後、その早さは意見。張り巡らした中、私たちは永遠になった。張り巡らされた糸を弾くと、時間が流れ出す。見る間に残るのは骸骨である、最後に残った芥も消えた。

 教室はほこりがたまっていた。その中を蜘蛛の巣が張っている。こんな部屋を部室に貰えると言われても嬉しいことはない。蜘蛛の巣をはいだ。奥には一人の女の子。一目で恋した。蜘蛛の巣をどかす。女の子の顔は恐怖に包まれた。自分は脅かす気などないんだ。声に出すと女の子は笑った。

 廃教室で女の子を見る。彼女を救うために蜘蛛の巣を払うことが必要だと思うが、それは彼女の死に直結している。
彼女の時間は張り巡らされた糸によって止められているのだから。時計が進むのはその象徴のようなもの。


 あなたは、フィルムを一コマ一コマ眺めてはため息をついている。フィルムには学園祭で使う映画のフィルムが蜘蛛の巣のように張り巡らされていた教室。



完成形
 あなたはモニターを見ている。制服の少女が一人、教室を歩き回っている。壁の時計は3時過ぎ。真夜中。少女は半ば透けている。今、撮影中の幽霊の映像だ。少女は張り巡らされた結界に気づいたのか一点を見ている。少女は見えなくなった。カメラの死角に入ったのだろうか。吐息が首筋にかかった。
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2011年02月14日

魔法使いの弟子

yuiyaさん  http://twitter.com/i_yuiya の作成してくだすった

縛りSSったー 三題噺ったー http://shindanmaker.com/15896

tikutakuは「窓」「夏」「魔法使いの弟子」に関わる、「登場人物1人限定」のSSを6ツイート以内で書きなさい。


載せた奴
行きたい所はどこです? 行けるわけないと。夢がないですね。じゃあ窓の向こうに世界があると考えて開けてみて。え、夏空が広がっている。窓が違っているんです。これを見ているのWinですよね。ね、色々覗けますよ。え、使ってるのはAndroid。なら電気羊以外の夢を見るのは難しいですね。



文字を減らした奴
行ってみたい所はどこです? 行けるわけないと。夢がないな。でも、向こうに世界があると考えて開けてみて。え、夏空が広がっているだけ。窓が違っているんです。これを見ているのWindowsですよね。ね、どこでも覗けますよ。え、使ってるのはアンドロイド。電気羊以外の夢を見るのは難しいですね


最初の奴
 行ってみたい所はどこです? 行けるわけないと。夢がないですね。それに魔法使いの弟子たる私には無理だろうと。それは確かにそうですけど。まあ、窓の向こうにそんな場所があるって想像してみてください。そして開けてみてください。え、夏の空が広がっているだけ。開けた窓が違っているんです。これを見ているのは? そうWindowsですよね。ね、どこでも覗けますよ。最近は国を倒すくらいの勢いらしいですから。え、窓じゃなくああ林檎でしたか。違う。え、アンドロイド。だとすると電気羊以外の夢を見るのは難しいですね。

 省略しきってから6ツイートな事に気づいた。今度は同じ題で長いのを書こうと思います。
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2011年01月10日

百物語用怪談1

 子供の頃、学校でたわいない幽霊話を聞いたことがあると思います。笑う音楽家を初め七不思議とかそういうお話です。ところがうちはなかったんで作ったんです。
 弟が十離れてるんで、自分が作った話が残っているのか聞いたんです。悲しいことに何も残ってませんでした。
 しかしこういうものを見たという話を始めたんです。
 オウムのお化けを見たっていうんですね。これは変わっていると思って、よく聞くと喋る鳥じゃなくて、風の谷のナウシカにでてくるそれですね。
 得体のしれない物が出て弟は怖かったそうです。実のところ怖かったのは自分もで。
 自分が小学校低学年の頃、学校でカブトガニを飼っていたんですがやはり学校では無理で死んでしまいまして。所で、その王蠱が出た場所を聞くとずばり自分が子供の頃に王蠱の話を聞いた場所でした。
 やはりそういうのがひっかかりやすい場所なのですかね。

 場所というか、やはり霊が出やすい場所ってのはあるんですね。
 うちの家の近所はちゃんとした地名もあるんですが、古くから住んでいる町の方は堂山と呼びます。今でこそなんて事はない住宅地ですがもともとは海沿いの外れのちょっとした丘の辺りにお寺がたくさん集まっているからなんですね。
 そこもまた人魂や浮いている生首が出るなんて話がありました。あるのがお寺やら教会、人が住まず潰れてしまった社宅があったもので、ああ、そうなんだと納得していた覚えがあります。
 自分が高校生くらいになった頃、社宅を取り壊して公民館になることになりました。工事は直ぐに止まりました。幽霊ではないんです。白骨死体が十数体。大騒ぎになりました。調べてみると古くて事件性はないのは分かった。堂山だからと納得したいところですが、どれも首が無かったんですね。どうも堂山の一角には打ち首にした後の躯を置く場所であったらしい。堂山というのはお堂がある山ではなく、胴を葬る山だったのです。
 一昨年、公民館で堂山近辺の歴史を話す機会があったんです。すると、事務の方は窓の方を向いて、「たまに夜中にそこを人影がよぎるんですよ」と。
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2010年11月23日

デビルちゃん

ほめられてのびるらじおPP http://www.onsen.ag/program/home/
 というwebラジオ番組の中で、パーソナリティーのお二人とゲストさまが、
ハガキでから選ばれた、キャラクター、シチュエーション、セリフから即興劇を
する非常にハードなコーナーがあります。
 そのパーソナリティーのお一人の風音さまを模したbotがいらっしゃいまして、
そこに頼むとカスタマイズネタを届けてくれます。

 加えて、yuiyaさん  http://twitter.com/i_yuiya の作成してくだすった

縛りSSったー 三題噺ったー http://shindanmaker.com/15896


 この2つからネタとりして話を作ってみました。

 

 私、デビルちゃん。仕事は小さくなって忍び込んで人間に悪事を働かす事なの(世界の妖怪図鑑 デビル参照)。
 今日も人間の世界に来て、獲物を探しているわ。
 晴天すぎて全く嫌になる空だわ。誰かいないかしら。
 あそこにいる男。あ、とってもピュアそう。よし、あの銭湯の前でヨーグルトを持っている男にとりついて、悪いことをさせてやるわ。
「えい」
「あれ、急に暴れたくなってきた」
 たちまち警察が来て取り押さえられる男。連行されていく男。
 やったわ。これでまた一つポイントゲット。
 さあ、地獄に帰ろうっと。
「やりましたよ、デビルさま。え、駄目どうしてです・・・あの男はこれから銭湯に飛びこんで、あの瓶詰めの白くてどろどろしたものをまくつもりだった。それがばれてもっと駄目な人生を送るはずだった。
 え、罰ですか・・・いやー」
 血の池に沈められるデビルちゃん。
「もういいよね。私頑張ったよね。。。」 
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2010年10月26日

寒い夜 風の音に思い出すお話



 あるところに美しい女御がおりました。
 帝のご寵愛を受け、都一の佳人の名をほしいままにしておりました。
 しかし、市井の人はその姿を見ることもなく、かぐや姫や乙姫のように、物語の如くその姿を思うだけでした。
 それは朝廷に仕えるものも同じ事で、内裏の奥深くにいらっしゃる女御を見ることはありませんでした。
 庭師の翁もその一人でした。
 翁は官職こそない身でありましたが、その腕は確かなもので、見識がないものでも、仕事を見れば見事さに、翁の手による物であると一目でわかったといいます。

 まだ夜も明けきれぬある朝の事です。翁は思っていたよりも早く落ちてきた霜に、庭の様子を見に出仕して参っておりました。
 幸い庭の草木は日頃からの丹精か、欠ける事なく美しい姿を見せています。
 安心したせいか先程まで感じていなかった寒さが、翁の身に染みてまいります。 
 翁は四阿の一つで寒さをしのぐ事にしました。
 四阿には先客がおりました。しかし骨の髄まで染みる寒さに翁は気付くことはなかったのです。
 翁は小さく声を漏らしました。
 雨意雲情の後なのでしょう。細い腰が着崩れた衣の内側から見え、翁は見てはならぬものを見たと、すばやく身を翻しました。
「だれぞ」
 いらっしゃたのは女御でございました。

 内裏の庭が俄かに荒れ始めました。いえ、庭師の数は多く、そんな事はあるわけはありません。
 しかし精彩がなくなったのは誰の眼にもわかるものでした。
 女御もそれに気付かれ、官女の一人に尋ねますと
「庭師の翁が病だとか」
 官女はそう申しますと何やら用事があると離れていきます。
 いつまでも庭はどこか精細を欠いたままでした。思い切って女御は尋ねました。
「恋患いと聞いております」
 その答えは自分のあさましい姿を見て懸想していると、女御には思われたのでございます。

 翁は部屋で転がっておりました。
 おきていれば女御の事が思い出され、眼を閉じればまぶたの裏に姿がありありと見えます。
 女御の天女のようなお姿が離れないのです。
「失礼いたします」
 翁のところに届けられたのは一つの包みでした。あけてみれば鼓が一つ。
「この鼓の音が聞こえましたら、女御は四阿にお姿をお見せするとのことでございます」
 翁は喜びながら四阿に赴き、鼓をたたきました。鼓から漏れる音は鈍くとても女御のいらっしゃる奥まで聞こえるとは思えませんでした。
 翁は自分のたたき方が悪いのだと、再び鼓をたたきます。しかし、その鼓は皮がしっかりと張っておらず決してならないものだったのです。
 それでも翁は一心に鼓を叩きます。いつまでも鼓とは思えない鈍い音が響いておりましたが、いつの間にか小さくなり、静まりかえりました。

 女御の様子が物狂いだと思われるようになったのは霜が毎朝、庭を白く飾る頃でございました。
 すきま風の音や、風が戸を揺らす音。そんな音を聞く度に鼓の音がするとおっしゃるのです。
 女御が物狂いになったと噂されるようになったのはそれからでございます。
 ある夜の事、小雪のちらつく中、女御は庭を歩いておりました。
 冬になったということもありましたが、翁の世話をすっかりうけなくなった庭は荒涼としております。
 女御は四阿にこられました。
 四阿では鼓を叩くものがおります。それは鼓を鳴らしている翁の姿でした。
「やっとこられました」


 女御の亡骸が見つかったのは冬の朝でございました。その側には
叩き続けて亡くなった翁の鼓が転がっておりました。
 歪んだ美しさともうしますのか、死しても女御は美しくあられました。
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2010年05月19日

12m

 映画を見終わって外に出ると、晴れていたが、路面は濡れている。天気雨だったと思い、そのまま歩き出す。
 繁華街を抜けて駅についた。家に帰って夕食にするか、それとも外食にするか。少しばかり考えてから結局外で食べることにした。せっかくなので今までいったことのない方に出てみた。
 商店街が連なっているせいで知らない店も多い。飲食店ばかり集まる雑居ビルの洋食屋に決めた。階段を上がって店に入るとこんでいるが、窓際の席が空いているので席についた。「すいません満員で」。エプロンをつけた若者がいう。「この席ダメなの」「ちょっとこの席は」「大丈夫」「わかりました」
 若者の持ってきた水を飲みながらメニューに目を通す。白身魚のカツレツのコースを選んだ。カーテンは揺れている。そのせいでせっかくの景色が見えない。カーテンを開けようと手を伸ばした。少し開けたところで。「ダメです」若者が吹っ飛んできた。「ここ開けると隣の排気口なんです」
 美味だったカツレツを食べ終えた。その時カーテンが微かに揺れているように思えた。窓の方を向くと、きれいな長い黒髪が見えた。「コーヒです」。コーヒを置くと若者はしっかりとカーテンを閉める。食事を終え、階段を下りた。見上げてみれば、自分が座っていたと思われる席の横は窓なのではなく道路に面していた。
 何だったんだ。そう苦笑してから、先程の長い黒髪を思い出した。いったいあの黒髪の主は4階にある店のどこから顔を見せていたというのだ。家に戻ってベッドに寝転がった。随分と気分が悪い。どうも歩きすぎたのか風邪でもひいたようだ。
 カーテンが揺れている。マンションに家があるせいで高層階はすきま風が結構な強さになる。隙間をしめようと思って立ち上がった。
 カーテンを開くと向こうに雨のように黒髪が揺れている。24階の高さの向こうに。
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2010年05月16日

胡蝶

「耳鳴り」「蝶々」「ベンチ」に関わる、「会話文使用禁止」のSSを7ツイート

http://shindanmaker.com/15896


 一人の青年が病院の庭のベンチに座っている。身につけているのは白衣。手術を幾度となくこなしたように、至る所血が滲み、黒く変色しているところもある。青年は医学を学んでいたが医者ではなかった。大学で学んでいる学生に過ぎなかった。彼の白衣がここまで血に塗れたのは戦争の為だった。
 戦争で多くの人間が兵士となった。まずは軍人、次に壮年のものから、徐々に前線に送られ、やがて学徒動員が始まった。気付ば青年のように技術を学んでいるものばかりが、大学にいる若い男の全てとなった。青年のいっていた大学は植民地にあった。支配する国とされる国。征服者と被征服者。相対する二つを融和させる目的で作られた学舎。
 植民地を守る力がなくなった今、融和は机上のものとなった。敵地に置き去りにされたのも同じ事だ。母校は母校でなくなり、安息の地は無くなった。
 母国への帰還が、人々の目的となった。しかし、絶望的な状況。学生である青年は、未熟を知りつつ、助けを求めて大学に来る人々に治療を施した。
 しかし、青年の医術は拙い。力を尽くしながらも、救うことができずに逝ったものも多い。そして青年は今日も、一つの命を救うことができなかった。非難の声は耳鳴りのようで、青年は庭に逃げ出して頭を抱えた。
 夜が来た。何か暖かいものが頬に当たった。頬にあたったのは蝶。闇の中に一匹だけではなく、多くの蝶々が舞っていた。それは青年の涙を拭うように飛び、闇に溶けるように消えて無くなった。その度に青年の胸に救うことができない自分に向かって、誰も恨み言をいっていなかったのを思い出した。蝶はまるで自分の救えなかった命が、励ましてくれているように思えた。
 青年は立ち上がった。これ以上蝶を一匹でも産まないために。
 
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猫はこの世の最初の支配種族

「猫」「今日」「人魚」に関わる、「女性キャラ禁止」のSSを6ツイート以内で書きなさい。
http://shindanmaker.com/15896

 今日はオセが来てから一年になる。研究者の祖父が連れてきた猫だ。茶色の毛並みに地割れのような模様の入った姿で、オセロットという名前だがオセと呼んでいる。オセは普通のエサは好みではないようで、出す物をほとんど食べない。勝手に外にいくのでその時に食べているのだろう。
 オセにプレゼントの名目で祖父から荷物が着た。開いてみると人魚のようだった。猿と魚を合わせてミイラの偽物を作る場合があると昔聞いた事がある。今回もそれだろうか。オセに食べさせろとでもいうのだろうか。中には手紙があった。水に漬けるべしと。
 大きさ的にちょうどいいものもないので、風呂桶に浸しておいた。夜になると風呂場の方でがたがたと音がする。オセが暴れているのかと思って、風呂場に向かった。いや、ガタガタしているのは窓だ。何かが外から入ろうとしている。僕は警棒にもなるマグライトを持って外に飛び出した。
 懐中電灯を向けるとそこにいるのは、魚とも人間ともつかない大きな怪物だった。僕は恐怖の為、動けないまま立ちつくしていた。怪物は僕に向かって手を伸ばしてくる。
 1m、50cm、しかし怖いのに、身体が動かない。動け足、動け腕。だめだ、神様! 
 何かが現れた。
 オセだった。オセは怪物に飛びかかる。獰猛ではなく、目はハートで。怪物はあっという間に食われ消えていく。さらに暗がりから怪物が出てくるが同じ結果に。幾度となくそれは続いた。血も出るし、肉も裂かれている。なのにそれは殺戮とかではなくて、食事。わんこそばの映像を少し思い出していた。
 オセロットは神話の中で、最初の人類である巨人を食らいつくしたという。あの怪物がその人類だとして、オセの仲間がたくさんいて今の勢いで食べ尽くしたらあっという間に絶滅しただろう。
 もしかして僕たちも、彼らの食料なのか思ったが、オセの大あくびを見ていると、どうでもよくなった。
posted by 作者 at 09:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 掌編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月01日

花魄







   仕事柄睡眠が不定期な事があって寝付けない事がある。気にしても寝られないので、特に仕事がなければ起きている。
 夜は、目的を持ったり、友人や恋人と過ごすには短いが、意味もなく過ごすには長いものだ。
 昨日もそんな夜で、眠気も夜明けもなかなか訪れない。喉が渇いた。何か飲み物でも買いにいこうか。いや、桜も咲いているだろうから、夜歩きに行くことにした。
 いつ雨が降ったのか、道路は濡れている。その中を進む。
 どこの桜を見に行こう。公園に行くか、川縁にいくか、寺に行くか、神社にいくか。
 割合寒いので近所の公園に桜を見に行くことにした。そこの桜は生まれて初めて認識した桜だ。
 ここの桜のおもしろいところは上から見下ろせる事だ。しかし、普通に花を楽しむ事はできない。そのせいで近い割にはあまり行くことはない。ただ、全ての植物がそうであるように、できるだけ日光をまんべんなく受けるように進化した黄金比を見ることができるので、希な眺めではある。
 公園についた。ただ、桜の回りには高い壁があって、普通に見ることができない。公園といったが市の土地ではなくて、隣接した私有地に咲いているのだ。そのせいで公園の小高くなった場所から見下ろす事はできるのだが、普通の花見はできない。昔はそんなことはなく、幼稚園の帰りに見たのをおぼえている。
 公園の遊歩道を歩き、高台に出て桜を見下ろす。闇の中、白い大きな水月のように桜が揺れている。昔と変わらない姿で少し嬉しくなる。この嬉しさを誰かに押しつけ、もとい共有したいと思ってカメラを取り出す。写真を撮ったが今ひとつ。




 風が寒くなってきた。高台にいるせいではなくて風が強くなってきている。公園の自動販売機でマックスコーヒーを買って温もりながら家に帰った。
 庭で猫が寄ってきたので煮干しを出してきて食べさせる。猫の頭を撫でているうちになんか眠くなってきた。

 翌日、午後出勤。駅に行く前に昨日の桜を撮り直すかと歩く。少し回り道になるが十分程度なので大した問題ない。
 公園に行くと花は咲いていなかった。あるのはもう随分と古くなった切り株だけ。昨日見た桜は幽霊だったらしい。
 幽霊は生前一番美しかった人の姿で人に逢いに来るというけど、桜も同じらしい。
posted by 作者 at 22:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 掌編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月28日

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